この記事の要点
Q. 中古住宅を買って大きくリフォームするなら、建築確認は必要?
A. 建物の規模と工事内容で変わります。2025年4月から木造2階建て等の大規模リフォームも建築確認の対象になりました。ただし、屋根ふき材だけの改修などは別扱いです。購入前に図面と希望する工事範囲をそろえ、建築士・袋井市の担当窓口に確認してください。

中古住宅を買い、好みの間取りに直して住む。その計画では、購入価格と工事代の前に、予定する改修に建築確認が必要かを整理したいところです。建物の規模や工事内容で答えが変わるため、「中古だから不要」「屋根を直すから必要」とは決められません。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。宅地建物取引士・富士ヶ丘サービス代表として、売る側の家も見ている立場から、袋井市で中古住宅を購入する方に向けて整理します。この記事は工事の可否を判定するものではなく、建築士に判断を頼む前に、買主が何をそろえるかを説明するものです。
1. 2025年4月から対象になった工事
袋井市の「大規模なリフォームについて」では、2025年4月から、木造2階建て等で行う大規模なリフォームが建築確認手続きの対象になると案内しています。2026年10月に始まった変更ではありません。これから買う家の改修計画にも関わる、施行済みの変更です。
同市の説明では、大規模なリフォームとは、主要構造部の一種以上について行う過半の改修等です。主要構造部として挙げられるのは、壁、柱、床、はり、屋根、階段です。「家全体の半分を工事するか」という意味で一括して数えるのではありません。どの部分をどれだけ改修するかが判断材料になります。
国土交通省も、建築確認・検査の対象となる規模等の見直しを案内しています。買主が覚えておきたいのは、建物の条件と工事の条件を分けて確認することです。木造2階建てを買っただけで、すべての手直しに申請が必要になるという話ではありません。
私は、この変更を「古い家を選んではいけない」という理由にはしません。希望する住まい方を実現できるか、工事計画を具体化する理由と捉えます。制度の説明だけでは分からない部分を、現物と図面で確かめる余地を残しておきたいからです。
2. 屋根を直す工事でも扱いは分かれる
袋井市は、大規模なリフォームに該当しない参考例も挙げています。屋根ふき材のみの改修、既存の屋根に新しい屋根をかぶせるカバー工法、外壁の外装材のみの改修等です。外から見た工事の大きさと、建築確認の対象になるかどうかは、同じ物差しではありません。
| 市が挙げる参考例 | 購入前に整理したい点 |
|---|---|
| 屋根ふき材のみの改修 | 表面の材料だけか、ほかの部分にも工事が及ぶか |
| 屋根のカバー工法 | 予定する工法と、併せて行う工事の内容 |
| 外壁の外装材のみの改修等 | 外装だけか、壁そのものにも手を加えるか |
表の左欄は袋井市の参考例、右欄は私が購入前の整理として提案する質問です。右欄の答えだけで必要・不要を判定するものではありません。市の参考例に似た工事名でも、別の改修を同時に行うなら、その範囲も建築士に伝えてください。
例えば、希望を伝えるメモが「屋根を全部きれいにする」だけでは、材料の取り替えなのか、屋根のつくりにも手を入れるのかが読み取れません。買主は工法を自分で決めるより、どこが気になるか、どんな仕上がりを望むかを写真と一緒に示すほうが話を進めやすいと私は考えます。

「大規模なリフォームに当たらない」と「何も確かめなくてよい」は別です。
建築確認の要否の話だけで、家の状態や希望する工事の実現性まで確認したことにはなりません。購入する建物と具体的な工事計画をもとに、建築士・市の担当窓口へ相談してください。
3. 購入前は、家の資料と希望を別々にそろえる
中古住宅の改修計画では、現状を示す資料と、これからしたい工事のメモを分けると相談が整理できます。私は、まず売主側に残っている図面や建築関係の書類を確認し、そのうえで買主の希望を重ねる順番を勧めます。売買契約を決めてから初めて工事範囲を考えると、判断する材料が後回しになります。
- 仲介会社を通じて、間取り図、確認済証、検査済証、改修履歴など、残っている資料を確認する。
- 残したい部屋、動かしたい壁、直したい屋根など、希望を図面や写真に書き込む。
- 売主の了承を得て、建築士や工事担当者が現地を見る機会を相談する。
- 建築確認の要否、追加で調べる部分、工事計画の前提を説明してもらう。
これは法定の提出書類一覧ではなく、私が勧める購入検討の準備です。資料がそろわない家もあるため、「ある」「ない」「まだ調べていない」を分けて書きます。見つからない資料を、存在しないと即断する必要もありません。どこまで確認できたかを、売主・買主・設計者の間で共有します。
建物全体の見方がまだ整理できていない方は、中古住宅を検討するときの最初の確認ガイドも参照してください。家の傷みの確認と、希望する改修に必要な手続きの確認は、相談の目的を分けて伝えるのが私の考えです。
建物状況調査を検討する場合は、建物状況調査で分かることを整理した記事も併せて読んでください。調査を頼む際には「現状を知りたい」に加え、「購入後にこの工事をしたい」と伝え、どこまでの判断を依頼できるかを確かめておくと話が分かれません。
4. 私なら工事代より先に、計画の前提を聞く
リフォーム前提の中古住宅購入では、見積書の合計だけで決めず、何を前提に計算した金額かを確かめたいと私は考えます。手続きが必要な計画なら、その準備を誰が担うのかも相談事項です。この記事では、一律の申請費用や完了までの日数は示しません。対象の家と工事内容が決まらない段階では、その数字を購入判断の根拠にできないからです。
見積もりを相談するときは、現地調査、設計、手続き、工事のうち、提示額に含むものを分けてもらいます。未確定の項目があれば、何を確認すれば決まるかを聞きます。工事代の安さを競わせる前に、同じ範囲について話しているかをそろえるためです。
大石のひとこと
私は、買うかどうかを急いで決めるより、希望する工事の前提を一つずつ減らしたいと考えます。一方で、資料の少なさだけで気に入った家を候補から外してよいかは迷います。だからこそ、何が未確認なのかを紙に残し、調べてから決める順番を勧めます。
袋井市で相談先を探すときは、市公式ページの「建築住宅課住宅土地対策係」の問い合わせ案内を利用できます。最初に物件所在地、階数、分かる範囲の面積、希望する工事を伝え、個別の建築確認の相談先を確認してください。電話だけで工事の可否が確定するとは考えず、必要な資料を教えてもらう入口にします。
住宅そのもの以外の確認は、磐田市・袋井市の不動産で確かめたい6項目も参考になります。今日できる一歩は、購入候補の間取り図に「変えたい場所」を印すことです。その一枚があれば、仲介会社と建築士に同じ希望を伝えられます。
5. よくある質問
Q. 屋根を葺き替えるなら、建築確認が必要ですか?
A. 工事名だけでは決まりません。袋井市は、屋根ふき材のみの改修を、大規模なリフォームに該当しない参考例に挙げています。ただし、屋根のほかの部分や別の主要構造部も改修する計画なら、その内容も確認が必要です。建物の条件と工事範囲を建築士に伝えて判断を求めてください。
Q. 中古住宅の間取り変更は、どれも対象になりますか?
A. 間取り変更という呼び名だけでは判断できません。主要構造部にどの程度手を加えるかなど、実際の工事内容を整理する必要があります。買主が壁の見た目だけで決めず、現在の図面と希望する間取りを用意してください。建物の規模も含め、建築士・市の担当窓口で個別に確かめます。
Q. 古い家で図面が見つからないときはどう考えますか?
A. 図面がないという理由だけで、この記事から改修の可否を決めることはできません。仲介会社を通じて売主の保管資料を確認し、残っている書類と不足分を整理してください。その情報で何が分かるか、追加調査が必要かを建築士に相談します。確認前に希望どおりの改修ができるとは決めないのが私の考えです。
制度の記載は2026年10月18日に袋井市・国土交通省の一次情報で確認しました。個別の建築確認の要否や設計・施工は建築士・担当窓口に確認してください。購入に伴う税務・登記・ローン可否・補助金の適用は個別条件で変わります。金融機関・税務署・専門家に確認を。
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この記事を書いた人
静岡県知事(2)第14083号/公益社団法人 全日本不動産協会・不動産保証協会 会員。事務所は静岡県磐田市見付5789番地1、駐車場から直接入れます。
出典・参考
- 袋井市 大規模なリフォームについて:https://www.city.fukuroi.shizuoka.jp/soshiki/53/1/daikiboreform/index.html(確認日 2026-10-18)
- 国土交通省 建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0001.html(確認日 2026-10-18)
本記事は2026年10月18日時点の情報をもとに、一般的な考え方を説明しています。制度・金利・税の適用は個別の条件で変わります。最終的な判断は、金融機関・税務署・各専門家にご確認ください。















