この記事の要点
Q. 磐田市の中古住宅で、その家が浸水したことがあるか、何から調べればよいですか。
A. 国の災害履歴図で周辺にどんな水害の記録があるかを見てから、売主に「いつ、どこまで水が来たか」を尋ねます。道路・庭・床下・室内を分け、当時の写真と修繕明細を場所ごとに照合してください。売主が住む前や不在だった期間は「不明」と残し、申し込み前に何を追加で確かめるかを決めます。

1. 磐田の水害を調べるときは、地図の表題を見る
磐田市で中古戸建てを内覧するとき、「この辺りは水が出ましたか」と聞くと、前の道路の話と、家の中の話が混ざります。最初に用意するのは、候補の家の位置を記した地図と、売主に尋ねたいことを書ける白紙です。地図には地域について読めたことを、白紙には一軒の建物について聞けたことを書きます。
過去の水害を調べる入口は、国土交通省の災害履歴図です。一覧から「磐田・掛塚」の「災害履歴図(水害)」を開き、候補の家と周りの道路が図のどこにあるかを見当づけます。凡例を見て、どの時期のどんな記録を示す色なのかを読んでください。地図を見て言えるのは、その範囲に掲載された地域の記録までです。家が建った時期や、どの部屋に水が入ったかは売主への別の質問になります。
一方、磐田市の雨水出水浸水想定区域図は、雨水が排水しきれない場合の想定を描いたものです。市が2026年3月31日に更新した説明では、対象は公共下水道全体計画区域(雨水)の2,897.6ヘクタール。堤防の決壊や河川の洪水は計算に含まれず、色の付いていない地域でも浸水の可能性があると記されています。住所が対象範囲に入るかを先に確かめ、浸水深と浸水継続時間は別々の図で読みます(2026年11月5日確認)。
たとえば、想定図の色から「以前この家で床上まで水が来た」と書くのは早計です。逆に、売主が「私は浸水を経験していない」と話しても、今後の大雨で水が来る可能性は別に検討します。候補地の周囲を調べる操作は磐田のハザードマップの見方と、当社の物件の浸水想定を調べる順番にまとめています。
2. 売主には「いつ、どこで、何を見ましたか」と聞く
最初の質問は「この家には、いつからいつまでお住まいでしたか」です。次に、その期間に強い雨が降ったときの様子を聞きます。住み始める前や長く空き家だった間の出来事まで、一つの「ない」という返事に含めないためです。仲介会社を通す場合も、買主が知りたい場所と期間を先に伝えると、質問をそのまま売主に届けられます。
年や月を思い出せなければ、無理に日付を決めず「入居した後、台所を直す前」などの順番を聞きます。そのうえで具体的な場所に移ります。「玄関まで来た」という答えなら、道路から見て門の前なのか、玄関ポーチの段なのか、室内のたたきなのかを聞いてください。同じ言葉でも、水に触れた場所が違えば、次に見る写真も違います。
| 水が来た場所 | 売主への聞き方 |
|---|---|
| 前面道路・庭 | 道路から庭のどの辺まで見えましたか。家に出入りできましたか。 |
| 床下 | 誰が、どの点検口から見ましたか。水が引いた後の写真はありますか。 |
| 室内 | どの部屋で、床や敷居からどれくらいの高さでしたか。 |

高さは基準にしたものと一緒に書きます。「十センチ」と聞くだけでは、道路の上か、居間の床の上かが分かりません。物差しで測った値なのか、壁の染みを見た記憶なのかも添えます。水が引いた時刻を尋ねる場合は、売主が帰宅した時にはすでに引いていた可能性もあります。「帰宅時には水がなかった」という答えを、浸水が続いた時間に置き換えないようにします。
3. 写真と修繕明細を部屋ごとに突き合わせる
売主が資料を見せられる場合は、まず建物のどこを写したものか確認します。玄関からの向き、窓や建具の位置を間取り図と突き合わせると、似た色の壁がある別の部屋と区別できます。写真の日付が分からなければ、撮影時期は未確認と書きます。家具に隠れた部分まで水が回ったかを、一枚の写真から決めないでください。
次に「水が引いた後、どの場所でどんな作業をしましたか」と尋ねます。請求書なら工事場所、施工日、品名、数量に目を通します。「床張り替え」とだけあれば、仕上げ材の範囲はどこか、床下の作業を記した明細や施工写真もあるかを聞きます。内装が新しいというだけで浸水後の修理と決めつけると、ふつうの模様替えまで水害の履歴に数えてしまいます。
例として、売主の話が「廊下と和室に水が入った」、明細にあるのが「和室の畳交換」なら、照合できたのは和室の作業です。廊下については、清掃だけで済んだのか、別の業者が入ったのか、資料が残っているかの順に聞けます。明細を見られたことと、現時点で床下が乾いていることも別です。気になる箇所は古い家の確認項目に沿って内覧メモへ移します。
4. 申込みの前に「まだ分からない場所」を残す
内覧を終えたら、一枚のメモを「売主が当時見たこと」「資料で場所まで確かめたこと」「次に聞きたいこと」に分けます。日付、部屋、根拠がそろう行と、伝聞しかない行を並べてみると、誰に何を頼めば判断が進むかが見えます。資料を借りたり撮影したりするときは持ち主の許可を取り、個人名など、購入判断に不要な部分は控えません。
大石のひとこと
私は、売主が「そこは覚えていない」と答えたら、その言葉をそのまま買主に渡したいです。迷うのは、話に食い違いはないのに、床下に何をしたかだけが見えないときです。そんなときに私なら申込みを急がず、「どの点検口から、誰に見てもらえれば決められるか」を先に考えます。分からないことを一つ残したままでも、次にすることは決められます。
現況を見たい場合は、売主に点検できる範囲を確認し、専門家へ「廊下の下を見られるか」「見られなかった部分を報告に残せるか」と具体的に相談します。点検口の先がすべて見えるとは限りません。現況調査で確認した範囲を知るには、当社の中古住宅の建物状況調査で分かることも参照してください。過去の出来事についての質問と、今の状態についての依頼を分ければ、買主も売主も答えを探す場所を絞れます。
5. 中古住宅の浸水履歴でよくある質問
Q. 市の図で敷地に色がなければ、過去の浸水はなかったと考えられますか。
A. 白い敷地も、まず図の対象区域に入るかを確認します。市の図は想定条件での計算結果です。過去については地域の水害記録を調べ、売主が住んでいた期間の建物の様子を別に聞きます。
Q. 売主が家を相続していて、当時住んでいなかったらどうしますか。
A. 売主自身が見たことと、前の居住者から聞いた話を分けて伝えてもらいます。写真や工事明細が残っていれば場所を照合し、誰にも確認できない期間は不明として購入判断に残します。
Q. 修繕の領収書が残っていない家は、何を見ればよいですか。
A. まず施工した部屋と作業内容を尋ね、写真や別の明細がないかを確認します。それでも床下など気になる場所があれば、内覧で勝手に開けず、売主の了承を得て現況を見られる範囲を専門家と決めます。
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この記事を書いた人
静岡県知事(2)第14083号/公益社団法人 全日本不動産協会・不動産保証協会 会員。事務所は静岡県磐田市見付5789番地1、駐車場から直接入れます。
出典・参考
- 磐田市「雨水出水浸水想定区域図の公表」:https://www.city.iwata.shizuoka.jp/sangyou_business/tochi_douro_kasen/1016286.html(確認日 2026-11-05)
- 国土交通省「災害履歴図」磐田・掛塚(水害):https://nlftp.mlit.go.jp/kokjo/inspect/landclassification/land/saigai_rireki.html(確認日 2026-11-05)
本記事は2026年11月5日時点の情報をもとに、一般的な考え方を説明しています。制度・金利・税の適用は個別の条件で変わります。最終的な判断は、金融機関・税務署・各専門家にご確認ください。















