この記事の要点
Q. 狭い道に面した中古住宅で、建て替え後も車を置けるか、購入前にどう確かめますか?
A. 敷地に接する区間を磐田市の指定道路図で探し、道路種別を確認します。地図には個別の後退線は載りません。仲介会社を通じて市の建築住宅課に照会し、後退線を反映した配置図に自分の車の寸法を重ねてから、購入を判断します。

1. 指定道路図で、候補の家が接する区間を探す
「セットバックあり」と書かれた磐田市の中古住宅。玄関先には売主さんの車がきれいに収まっています。買主がここで知りたいのは、将来建て替えるときも、自分の車を同じ向きで置けるかどうかでしょう。答えは敷地ごとに変わります。まず確かめたいのは、道路側からどこまでが、建物や塀を計画するときの道路の範囲に入るのかです。この後退をセットバックと呼びます。
磐田市の「指定道路情報(建築基準法)」を開き、販売図面の案内図と見比べてください。交差点から何軒目か、敷地のどちら側に道路があるかを合わせます。同じ道をたどっても、途中で道路の種別が変わる場合があります。角地なら、車が出入りする側と玄関が面する側を別々に見ます。地図から戸建てを探すときの物件のピンは周辺を探す手掛かりです。正確な接道位置は仲介会社から敷地図を取り寄せて照合します。
市の地図で分かるのは、その区間について表示された道路の種別です。「2項道路」という表示を見つけても、その線の端が後退線という意味ではありません。指定道路図には、道路境界線、幅員、個別のセットバック方法は表示されません。市は未判定の道路を掲載しておらず、表示情報の基準日は2026年3月27日です。地図を印刷した日と、この基準日を分けて控えてください。
2. 内覧では、道路と敷地の間にあるものを控える
内覧には販売図面のコピーを持っていき、車が入る側に矢印を描きます。門柱、側溝、ブロック塀、カーポートの柱、玄関の段差の位置を大まかに書き入れてください。売主の了解を得て、道路から玄関に向かう写真と、玄関から道路を見る写真を撮ると、帰宅後に左右を取り違えずに済みます。向かい側に水路があるなら、それも書き添えます。
塀が隣家より奥に引っ込んでいると、すでに後退しているように見えます。けれど、門まわりを広く使うために奥に設けた可能性もあります。舗装の継ぎ目や側溝の縁から、道路の中心や後退済みの範囲を自分で決めることはできません。内覧メモには「塀が奥にある」と、目で確かめたことだけを書きます。「後退済み」は、裏付ける図面を確かめてからです。
| 手元にあるもの | 次に確かめること |
|---|---|
| 指定道路図の写し | 対象区間を丸で囲み、道路種別の最新の扱いを市に尋ねる |
| 販売図面の駐車表示 | 現況を表すのか、後退線を入れた配置案なのかを仲介会社に聞く |
| 売主が保管する配置図 | 作成日と対象敷地を見て、どの線が後退線か説明を受ける |
建物の傾きや雨漏りが気になるときは建物状況調査で分かることも参考になります。建物を調べる依頼と、前面道路の扱いを確かめる依頼を分けておけば、建物の報告書を受け取っただけで道路まで確認したつもりになるのを防げます。
3. 建築住宅課には、敷地と道路を一緒に示す
仲介会社には、例えばこう頼めます。「案内図で丸を付けた区間について、今の道路種別と、後退する範囲を判断できる資料があるかを確認してください。売主さんが以前の建築時の配置図をお持ちなら、その図も見たいです」。道路に面する間口が長い敷地なら、玄関の前の一点だけでなく、敷地が接する両端まで示します。
磐田市は、図の表示がないとき、現況と表示が違うとき、最新情報を知りたいときの窓口を建築住宅課(0538-37-4899)としています。電話では、住所に加えて地番と目印を伝え、どの資料を用意して照会すればよいかを聞きます。「この道は狭いです」という説明だけでは、担当者が隣の通りを想定していても気づけません。照会した日と区間を控え、回答を販売図面と一緒に保管しましょう。
「2項道路である」と確認できても、「この門柱から何センチ下がる」と分かったことにはなりません。市が案内した道路の扱い、手元の図面で確認できた線、追加調査を要する部分を分けて仲介会社に書いてもらいます。売主の古い配置図と現在の塀の位置が合わない場合は、建築士などに現況との照合を依頼します。測量が必要と言われたら、誰が依頼するか、費用を誰が負担するか、いつ結果が出るかも契約前の相談事項です。

4. 後退線を入れた配置図に、自分の車を置いてみる
例えば販売図面に「駐車1台」とあり、自家用車を置くと玄関の手前まで余裕がなさそうな家を考えます。検討に使いたいのは、敷地全体の坪数より、後退線を考慮した計画で車を置ける部分の奥行きと幅です。建築士に建て替え時の配置案を相談する際は、車検証にある長さと幅を伝え、道路側、玄関側のどちらにどれだけ余白が取れるかを図面に入れてもらいます。
車体の四角が図面に入っても、運転席のドアを開けた先が塀なら乗り降りしにくくなります。子どもを後席から降ろす側、荷室の扉を開ける向き、玄関まで荷物を持って歩く通路を図面に描き足してください。狭い前面道路から曲がって入れるかも別の問いです。敷地に停車した状態と、道路から切り返して入る動きを分けて確認します。
建て替えを前提に選ぶ場合、道路の確認とは別に土地の区域による制約も調べます。物件資料に「市街化調整区域」と記載がある方は、磐田市の調整区域で中古住宅を建て替える際の確認点をご覧ください。道路の扱いが分かった時点で、建て替え全体の可否まで決まるわけではありません。
大石のひとこと
私なら、間取りも価格も気に入った家ほど、車の置き方を紙に描いてから返事をします。毎朝ここから車を出せることが購入条件なら、後退線が分からないうちは、その条件にまだ丸を付けられません。反対に、少し歩いても別に駐車場を借りてよい家族なら、比べる条件は変わります。「この図がそろったら返事をします」と先に伝えておく。家を気に入ったまま、判断を待つための言い方です。
5. よくある質問
Q. 指定道路図に色がない道なら、セットバックは不要ですか?
A. 空欄だけでは判断できません。未判定の道路も掲載されないためです。敷地に接する区間を案内図に記し、磐田市建築住宅課に最新の扱いを照会してください。
Q. 売主の車が置けていれば、建て替え後も同じ場所を使えますか?
A. 今停められることは現況の情報です。後退線を入れた建て替え時の配置図に、自分の車の寸法を重ねます。門柱や玄関への動線も含めて置き場所を確認してください。
Q. 契約前に後退の範囲が分からないときは、何を頼めばよいですか?
A. 仲介会社に、市への照会結果と、範囲を判断するために足りない資料を分けて示すよう依頼します。追加調査の担当と回答時期を決め、駐車が購入条件なら、その回答を受けてから判断できます。
道路情報の出典は磐田市建築住宅課の指定道路情報(建築基準法)の利用上の注意事項です。2026年11月4日に本文を確認しました。
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この記事を書いた人
静岡県知事(2)第14083号/公益社団法人 全日本不動産協会・不動産保証協会 会員。事務所は静岡県磐田市見付5789番地1、駐車場から直接入れます。
出典・参考
- 磐田市建築住宅課 指定道路情報の利用上の注意事項:https://www.sonicweb-asp.jp/iwata/agreement?theme=th_11(確認日 2026-11-04)
本記事は2026年11月4日時点の情報をもとに、一般的な考え方を説明しています。制度・金利・税の適用は個別の条件で変わります。最終的な判断は、金融機関・税務署・各専門家にご確認ください。















