この記事の要点
Q. 中古住宅を買って直す予定。石綿調査はいつ、何を確かめればいい?
A. 石綿の事前調査は、中古住宅を買う行為そのものではなく、解体・改修工事に関する確認です。一般住宅も対象で、小規模工事だから不要とは限りません。購入前に売主へ図面・改修履歴・既存の調査記録を求め、予定工事と一緒に資格のある調査者や施工業者へ確認します。対象外の作業もあるため、費用・日程は個別の見積もりで確かめましょう。

磐田市で中古住宅を探し、購入後に台所や浴室、内装を直したい。そんなとき、設備の交換代だけで予算を決める前に確認したいのが、石綿(アスベスト)の事前調査です。調査の対象や費用、必要な日数は、建材と予定する工事によって変わります。この記事では個別の含有判定や費用の相場を示さず、購入前に何をそろえるかを整理します。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス代表・宅地建物取引士として、売る側の資料も扱う仲介会社の立場から書きます。「買う前の確認」と「工事前に行う調査」を分けることが、予算と段取りを組む出発点です。
1. 11月の点検と、購入する人への関係
厚生労働省は2026年9月30日、国土交通省・環境省と合同で、石綿に関する全国一斉パトロールを2026年10月頃から11月頃まで実施すると発表しました。地域によって実施期間は異なるとされています。磐田市の具体的な巡回日程を確認した案内ではありません。
発表の中心は、工事現場での法令の遵守、作業する人へのばく露防止などです。「11月になったので中古住宅の購入者に新しい一律の検査が加わった」という意味ではありません。建築物の事前調査を資格者等が行う扱いは、2023年10月1日からのものです。時期の近い点検の案内と、以前からある工事の決まりを混同しないでください。
購入を考える方に関係するのは、引き渡し後に予定する改修です。購入する行為そのものを工事と同じに扱わず、どの部屋の、どの材料を、どの方法で触る予定なのかを整理します。家全体の購入前確認については、中古住宅を買う前の確認項目も合わせて見ると、今回の石綿の話を全体の段取りに置けます。
2. 小さな改修と事前調査・結果報告の違い
静岡県の公式案内は、一般の住宅も対象として、解体・補修等の工事では工事規模によらず対象建材の石綿含有の有無を調べる必要があると説明しています。一方で、石綿を含まないことが明らかな材料を、周囲を損傷せず取り外す作業など、一部の除外も示しています。したがって、作業内容を見ずに「全部必要」「全部不要」と決められません。
意外に見落としやすいのは、事前調査と、その結果を役所へ報告する手続きが別だという点です。一定規模以上の工事には結果報告が必要とされますが、報告対象にならない規模なら調査も省ける、という読み方にはなりません。今回は工事金額だけで可否を判定する表は作らず、施工業者に両方を分けて説明してもらう形を勧めます。
| 確認すること | 区別するポイント |
|---|---|
| 事前調査の対象か | 予定する作業と対象建材、除外される作業かを確認 |
| 誰が調査するか | 建築物石綿含有建材調査者等の資格・対応範囲を確認 |
| 結果報告が必要か | 調査とは別に、工事規模などに応じた報告の要否を確認 |
県の案内では、設計図書等による書面調査と目視調査の両方を行い、それでも含有の有無が明らかにならない場合は、分析調査または石綿有りとみなす方法を取るとしています。見た目がきれいなことや、売主が「聞いたことがない」と話したことだけでは、含有していないという結論にはできません。
また、県は石綿が使われている可能性のある壁面等へ電動工具で穴をあける作業も、事前調査が必要と説明しています。大がかりな解体だけの話だと思わず、設備交換に付随する穴あけなども予定工事に書き出して相談してください。自分で材料を削ったり採取したりする確認方法は、ここでは案内しません。
3. 購入前に売主へ求めたい資料
私なら、仲介担当を通じて、まず売主が持っている資料の有無を聞きます。最初から新しい調査報告書がそろっていると決めつけず、何があり、何がないのかを分けるためです。口頭での説明は、確認した日と内容をメモに残してもらいます。
- 建築時の図面や仕様書など、建材の情報が分かる資料
- 過去の増改築・設備交換の時期、工事範囲、残っている書類
- 既に行った石綿調査の記録、その対象部分と調査日
- 改修業者が現地を確認する際の立入りや調査についての売主の了承
過去の調査記録があっても、今回壊す壁や天井がその調査範囲に入っているかは別に確認します。「調査済み」という短い言葉だけで家全体に広げず、図面上のどこを調べた記録なのかを見てもらうのが私の考える確認順です。資料がない箇所を、含有なしの箇所として埋めてはいけません。
購入前の物件はまだ売主のものです。現地調査の方法や立入り日、費用を誰が負担するかは、先に売主・仲介担当・業者と相談してください。売買の判断を急いで、了承を得ないまま調査や工事を手配する段取りにはしません。道路や境界なども含めた確認は、磐田市・袋井市で購入前に見る6つの項目と分けて整理すると、確認漏れを減らせます。

4. 見積もりで分ける調査と工事
次は、図面や記録と「直したい場所の一覧」を同じ業者へ渡し、どこまで分かった時点の見積もりかを聞きます。調査前の概算と、調査結果を踏まえた工事見積もりは、前提条件が違います。価格だけを横に並べると、その違いが見えなくなります。
見積もりの確認項目としては、書面・目視の調査費、分析が必要になった場合の扱い、石綿有りとみなす場合の工事条件、調査結果に応じた除去等や廃棄物処理の費用、結果報告が必要な場合の担当を分けて尋ねます。これは一律に全項目の支払いが発生するという意味ではなく、含まれているものと追加になる条件を明らかにするためです。
「別途」「必要に応じて」と書かれた項目は、金額が決まる時点と、追加費用を説明してもらう時点まで聞いておきましょう。分析結果や改修方法によって予定が変わる場合、引き渡し・工事・入居の順にどこへ影響するかも確認します。調査日数や除去費用は個別条件で変わるため、この記事では一律の金額や日数を置きません。
住宅購入の予算には、この工事側の未確定部分を未確定のまま残しておく必要があります。「追加が出たらそのとき考える」だけで契約判断に進まず、見積もりの前提が固まる範囲と、まだ決まらない範囲を家族で共有してください。
5. 私なら購入前にここまでそろえる
大石のひとこと
私は、調査を付ければ何でも安心と言いたいわけではありません。購入前にどこまで費用をかけて確かめるかは、私も物件と改修範囲を見ずには決められません。ただ、資料も工事範囲も曖昧なまま、リフォーム込みの総額が決まったつもりになるのは避けたい。まずは「売主資料」「触る場所」「見積もりの追加条件」の3つをそろえる。家族が判断する材料を作ることを先に置きます。
公的な案内の良い点は、小規模工事と報告の手続きを混同しないための基準が読めることです。その上で、購入者が実際に使うには、予定工事に当てはめた説明が必要です。制度のページを渡すだけで終わらず、どの材料を誰が調べるのかまで業者へ尋ねることを、私は勧めます。
今日できる一歩は、購入候補の家で「残す場所」と「改修したい場所」を一枚に書き、仲介担当に売主資料の有無を聞くことです。他の購入時の確認も整理したい方は、不動産購入のスタッフブログ一覧を参照してください。石綿の含有判定・調査や施工方法は有資格の調査者・施工業者に確認を。税務・登記・ローン可否・補助金の適用は、金融機関・税務署・専門家に確認を。
6. よくある質問
Q. 購入するだけでも石綿調査が必要ですか?
A. 今回確認した県の案内は解体・補修等の工事に関するものです。売買する行為だけで同じ事前調査が一律に必要になるという説明ではありません。改修予定がある方は、購入前に図面や過去の記録を集め、予定工事を示して調査の対象を相談してください。購入前の立入りや調査方法は売主の了承も得て進めます。
Q. 少額のリフォームなら調査を省けますか?
A. 金額だけで不要とは判断できません。県は工事規模によらない事前調査を説明する一方、石綿を含まないことが明らかな材料を周囲を損傷せず取り外すなど、一部の作業を除外しています。結果報告の対象かどうかとも別の確認です。実際に触る建材と作業方法を示し、資格のある調査者や施工業者に確かめてください。
Q. 売主に調査記録がなければ購入をやめるべきですか?
A. 記録がないことだけで、含有の有無や購入の是非は決まりません。図面・改修履歴の有無と予定工事を整理し、どの調査が必要で、費用や日程がいつ分かるかを相談します。未調査の範囲は未確認と扱い、確認できた範囲と分けて家族で判断してください。個別の含有判定は有資格の調査者に確認を。
関連するブログ・ページ(中古住宅をお探しの方へ)
この記事に関連する、当社と大石が運営しているページです。あわせてご覧ください。
- 地域から戸建を探す(富士ヶ丘サービス取扱物件)磐田市・袋井市を中心とした中古戸建の売買物件を地域から探せます。https://www.fujigaoka-service.co.jp/area_b1/
- 地図から物件検索通勤・通学・実家との位置関係を地図で確かめながら探せます。https://www.fujigaoka-service.co.jp/map_b1/
- 築年数が経った古家|道路・土地・建物を確認する順番売る側向けに書いた確認順ですが、買う側がそのまま確認項目として使えます。https://fudosan.atawi.link/guide/old-house-first-check/
- 磐田市・袋井市の家で確認する6項目(名義・権利・接道・境界・農地・災害)買う前に売主側へ質問すべき項目が、地域の実情とあわせてまとまっています。https://fudosan.atawi.link/guide/iwata-fukuroi-6checks/
- ハザードマップを確認する(磐田ライフハック)洪水・津波・土砂・地震のマップの見方と、住所での確認手順です。https://iwata.enshu-lifehack.com/life/emergency/hazard-maps/
- 磐田市に引っ越してきたときの手続き一覧転入届・学校・水道・ごみなど、入居後の手続きのチェックリストです。https://iwata.enshu-lifehack.com/checklist/moved-in/
- 引っ越しと暦(ATAWI暦占い)日取りの言い伝えと、引っ越し当日までの段取りをまとめています。https://koyomiuuranai.atawi.link/koto/hikkoshi/
- 大石の不動産ブログ(売る側の本音)売主側が何を考えて価格や条件を決めているかが分かると、買う側の判断材料になります。https://fudosan.atawi.link/blog/
- 磐田物語(磐田市の歴史・地域史)住もうとしている土地の成り立ちや地名の由来を知ると、地形や地盤の見方が変わります。https://iwata-monogatari.net/
- スタッフブログ「大石ひろゆきの不動産購入話」購入側の視点で書いた記事の一覧です。https://www.fujigaoka-service.co.jp/blog/list.html?theme=8355
- お問い合わせフォーム内覧のご希望・資金計画のご相談は、電話 0538-31-3308(9〜18時/水曜・日曜は予約制)でも承ります。https://www.fujigaoka-service.co.jp/contact/
この記事を書いた人
静岡県知事(2)第14083号/公益社団法人 全日本不動産協会・不動産保証協会 会員。事務所は静岡県磐田市見付5789番地1、駐車場から直接入れます。
出典・参考
- 厚生労働省:石綿に関する全国一斉パトロールの発表(2026年9月30日):https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76403.html(確認日 2026-11-07)
- 静岡県:アスベスト(石綿)について(2024年6月12日更新):https://www.pref.shizuoka.jp/kurashikankyo/kankyo/taikisuishitsu/1002100/1002639/1017911.html(確認日 2026-11-07)
本記事は2026年11月7日時点の情報をもとに、一般的な考え方を説明しています。制度・金利・税の適用は個別の条件で変わります。最終的な判断は、金融機関・税務署・各専門家にご確認ください。















