この記事の要点
Q. 空き家の査定額が800万円以下なら、仲介手数料は33万円なの?
A. 個別条件で費用は変わります。価格800万円以下の宅地建物は、2024年7月1日以降、仲介手数料の特例で売主一方の上限が税込33万円です。使用状態は問いません。ただし33万円が一律の請求額ではなく、媒介費用を踏まえ、媒介契約時に上限内で事前合意する額です。査定結果と費用見積書を分けて確認してください。

個別条件で、仲介手数料や売却に伴う費用は変わります。磐田市の空き家について査定結果を受け取っても、その金額がそのまま手元に残るわけではありません。まず分けたいのは「売れると見込む価格」と「売るために支払う費用」です。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス代表・宅地建物取引士として、売主の側から費用の確認順を整理します。この記事は2026年10月13日に確認した制度をもとにしています。当社の料金表や個別物件の見積書ではありません。
1. 磐田市の空き家査定と費用見積もりを分ける
磐田市の「空き家に関する相談会等」の案内では、2024年度に始まった取組として、民間事業者による活用可能性調査が紹介されています。市は業務委託契約を結び、空き家の所有者へ査定等の結果を知らせています。
出典は磐田市の空き家相談・支援の案内です。確認日は2026年10月13日です。価格の目安を得る段階と、不動産会社に仲介を依頼する段階を分けて読みましょう。
私は、家の使い道を考える入口が用意されている点を評価します。家族だけでは値段の話を始めにくくても、査定結果という資料があれば話題にできます。ただ、売却を決める材料にするなら、価格の横に費用の欄も必要です。査定結果に費用の記載がなければ、別の見積書を求めたいところです。
通知を受け取った方は、査定書の「価格」が何を指すか確認してください。仲介で売り出す場合の見込みなのか、事業者が直接買う場合の提示額なのかでも、確認する相手と契約が変わります。この記事が扱うのは、不動産会社に売買の仲介を頼む場合の報酬です。
家族の意向がまだ揃っていないなら、実家を売る前に整理することも併せて確認できます。私は、価格を聞いた日に売却の結論まで出す必要はないと考えています。
2. 800万円以下の特例は「空き家だけ」ではない
国土交通省の消費者向け案内では、2024年7月1日以降、価格800万円以下の宅地建物の売買仲介に報酬の特例が設けられています。対象は「低廉な空家等」と呼ばれますが、使用の状態は問いません。人が住んでいるかどうかだけで、対象外とは決まりません。
特例では、仲介に必要な費用を勘案して、通常の上限を超える報酬を受け取れます。ただし、依頼者一方から受け取れる額は税込33万円以内です。根拠と確認日は国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」、2026年10月13日です。
| 確認する項目 | 売主が押さえる内容 |
|---|---|
| 対象となる価格 | 800万円以下の宅地建物。800万円ちょうども含む |
| 家の使用状態 | 空き家に限らず、使用状態を問わない |
| 特例の上限 | 依頼者一方につき税込33万円以内 |
| 実際の報酬額 | 媒介費用を踏まえ、媒介契約時に上限内で事前合意する |
「媒介契約」は、不動産会社に仲介を依頼する契約です。国土交通省は、特例を使う場合こそ、依頼時に報酬額を事前に合意しておくことを求めています。売買の話がまとまってから初めて金額を聞く形にせず、依頼する前に確かめてください。

図の33万円は特例の上限であり、すべての物件に同じ額を請求するという意味ではありません。なお、価格に建物の消費税が含まれる取引では、計算に使う価格の内訳も仲介会社に確かめてください。
3. 33万円を引けば手取り、とは限らない
仲介手数料の「上限」と「合意額」は別の数字です。上限は受領できる限度で、合意額は依頼者と仲介会社がその範囲で決める報酬です。査定結果に33万円と書き足すだけでは、実際に支払う金額の確認になりません。
以下は計算の違いを見るための仮の例です。相場や当社の提示額ではありません。売買価格を500万円とし、仲介手数料の合意額を税込27万5,000円と仮定すると、差し引きは472万5,000円です。税込33万円で合意する仮定なら467万円です。差は5万5,000円になります。
どちらの計算も、仲介手数料だけを引いた残額です。最終的な手取りではありません。測量、家財の片付け、登記など、物件ごとに必要な項目を別に確認します。借入れが残っていれば返済額、税金が生じる場合はその負担も考える必要があります。
大石のひとこと
私は、上限だけの見積もりでは家計の判断はできないと考えます。500万円から何を引くのかを、一枚の紙に分けて書きたい。仲介会社として仕事に見合う報酬は必要です。ただ、売主にとっては5万5,000円の違いも自分のお金です。私は、手数料の高低だけで会社を選べるかというと迷います。調査や連絡の範囲も違うからです。それでも、何の仕事にいくら払うかを曖昧にしたまま依頼する必要はありません。
手数料を比較するときは、金額だけでなく「何を調べ、何を報告してくれるか」を同じ条件で聞く、というのが私の提案です。見積書の安い欄だけを拾わず、別途費用の欄まで一緒に見ます。
費用が動く理由を整理するなら、磐田市・袋井市の不動産で確認したい6項目を使えます。道路や境界、名義などの確認事項を、手数料とは別の論点として置いてください。
4. 媒介契約前に聞く順番と残す書面
売却を依頼する前の確認は、価格の前提、仲介手数料の合意額、別途費用、支払い時期の順に進めると整理しやすくなります。口頭の説明で理解できても、家族と確認するために見積書と媒介契約書を手元に残してください。
- 価格の前提を聞く。「査定額と、売買が成立した価格は分けて考えていますか。価格が変わったときの手数料も示してください」と確認します。
- 上限と合意額を聞く。「今回の見積額は税込いくらですか。特例を使う場合、どの媒介費用を踏まえた金額ですか」と確認します。
- 別途費用を聞く。「仲介手数料に含む業務と、別の事業者へ払う費用を分けてください。未確定の項目はいつ分かりますか」と伝えます。
- 支払い時期と条件を聞く。「いつ、誰に、いくら払いますか。売買が成立しなかった場合や途中で依頼をやめた場合の扱いも確認したい」と伝えます。
見積書では、未確定の欄を「0円」と読まないようにします。たとえば測量の要否が未確認なら、「要否確認中」と残すほうが判断に役立ちます。必要な作業を決める前に、売却価格から引く費用の総額を確定扱いしないことです。
空き家の片付けを先に頼むか迷う場合は、空き家の最初の確認で物件の状況を整理できます。私は、家財をどこまで残せるかを相談してから、作業の見積もりを取る順番を提案します。売る条件が決まる前に、費用だけ先に確定させないためです。
今日できる確認
査定結果の横に「仲介手数料の税込合意額」「別途費用」「未確定の費用」の3欄を作ってください。空欄があれば、その欄を埋めるための質問を仲介会社へ送る。売却の結論を急ぐより、手元に残る額の前提を揃えるのが先です。
税金や登記、借入れの返済条件は、この表だけでは判断できません。適用できる控除や手続きも個別条件で異なります。金融機関・税務署・専門家に確認を。
5. よくある質問
Q. 空き家ではなく、住んでいる家は対象外ですか?
A. 使用状態だけでは対象外になりません。国土交通省の案内では、価格800万円以下の宅地建物について使用状態を問わないとしています。「低廉な空家等」という名称だけで判断せず、価格の内訳と特例の扱いを仲介会社に確認してください。対象になることと、税込33万円で合意することは別です。
Q. 税込33万円は、売主と買主が払う合計ですか?
A. 売買仲介の特例では、依頼者一方から受け取れる上限です。売主と買主の合計額という意味ではありません。売主は自分が依頼する仲介会社への報酬額を確認します。33万円の半分を自動的に負担する仕組みでもなく、上限内で事前に合意した額が判断の基準です。媒介契約書の税込額を確かめてください。
Q. 査定額から33万円を引けば、手取りが分かりますか?
A. それだけでは分かりません。査定額と成約額は同じとは限らず、手数料も合意額の確認が必要です。測量や片付けなどの費用、借入れの返済、税金の有無も分けて整理します。未確定の費用を0円にせず、見積書に残してください。税務・登記・返済条件の個別判断は、金融機関・税務署・専門家に確認を。
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この記事を書いた人
静岡県知事(2)第14083号/公益社団法人 全日本不動産協会・不動産保証協会 会員。事務所は静岡県磐田市見付5789番地1、駐車場から直接入れます。
出典・参考
- 国土交通省 消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ(売買仲介の報酬特例・2024年7月1日以降):https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html(確認日 2026-10-13)
- 磐田市 空き家に関する相談会等(活用可能性調査と査定等の結果通知):https://www.city.iwata.shizuoka.jp/kurashi_tetsuzuki/juutaku_pet_seikatsu/1010112/1012477/index.html(確認日 2026-10-13)
本記事は2026年10月13日時点の情報をもとに、一般的な考え方を説明しています。制度・金利・税の適用は個別の条件で変わります。最終的な判断は、金融機関・税務署・各専門家にご確認ください。















