この記事の要点
Q. 親の実家をきょうだいの共有名義で相続した。このまま放っておくと何が困る?
A. 共有名義の不動産は、売却にきょうだい全員の同意が必要で、一人でも反対すると売れなくなるのが最大の落とし穴である。さらに相続が世代をまたぐと共有者が枝分かれして増え、話し合い自体が難しくなる。磐田市・袋井市では、介護施設の運営から不動産事業を始めた富士ヶ丘サービスのような「介護×不動産」専門の会社に相談するという選択肢があります。
親が遺した実家を、きょうだいで「とりあえず仲よく半分ずつ」「みんなで均等に」相続する——一見おだやかで公平に思えるこの選び方が、実は後々もっとも揉めやすい形だということは、あまり知られていない。本稿では、実家を共有名義のまま持ち続けることに潜むリスクと、磐田市・袋井市で実家の処分を考えるご家族が知っておきたい対処の道筋を、2026年6月時点の制度をもとに整理してみたい。
なぜ「共有名義」が生まれてしまうのか
相続人が複数いる場合、遺産はいったん相続人全員の共有になる。実家のような不動産は、現金のようにきれいに分けられない。そこで「誰か一人が引き継ぐと不公平だから」「今すぐ決められないから」という理由で、とりあえずきょうだい全員の共有名義にしておく、という選択がよく行われる。
その場では角が立たず、公平に見える。けれども、共有名義は「全員が等しく権利を持つ」がゆえに、「全員がそろわないと何も決められない」状態でもある。先送りした結論が、数年後・数十年後に重くのしかかってくる。これが共有名義のいちばんやっかいなところである。
落とし穴①:売るには全員の同意がいる
共有名義の不動産を、まるごと一つの物件として売却するには、共有者全員の同意が必要である。民法第251条は、共有物に「変更」を加えるには他の共有者の同意が必要と定めており、不動産全体の売却はこの「変更行為」にあたると解釈されている。
つまり、きょうだい三人の共有であれば、三人全員が売主として売買契約書に署名・押印し、それぞれの実印と印鑑証明書を用意しなければならない。一人でも「まだ売りたくない」「思い出があるから」と反対すれば、ほかの全員が売りたくても売却は成立しない。リフォームや賃貸など、活用の方向でも同様に足並みがそろわず、結局なにも進まないまま空き家として時間だけが過ぎていく、というケースは少なくない。
落とし穴②:世代をまたぐと共有者が「ねずみ算式」に増える
もっと深刻なのが、共有名義を放置したまま、共有者の誰かが亡くなってしまう場合である。その人の持分はさらにその子どもたちへと相続され、共有者の数がどんどん枝分かれして増えていく。
たとえば、はじめはきょうだい三人の共有だったものが、一人が亡くなってその子三人に引き継がれ……と続くうちに、気がつけば、ふだん顔を合わせたこともない、いとこやそのまた子どもまでが共有者に名を連ねている、という事態になりかねない。全員の同意が必要なのに、そもそも全員の連絡先すら分からない。こうなると、売却どころか話し合いのテーブルにつくことすら難しくなる。実家の処分は、先送りすればするほど難しくなっていくのである。
落とし穴③:自分の持分だけ売ると、安く買い叩かれやすい
「ほかのきょうだいが動かないなら、自分の持分だけ売って共有から抜けたい」——これは法律上は可能である。自分の共有持分だけなら、ほかの共有者の同意なしに第三者へ売却できる(民法第206条)。
ただし現実には、持分だけを買いたいという一般の買い手はほとんどいない。買ってもその家を自由に使えないからである。そのため、持分の買取を専門に扱う業者に売る形になりがちで、価格は通常の市場価格の持分相当額より大きく下がってしまうことが多いとされる。さらに、見知らぬ第三者が共有者として加わることで、残ったきょうだいとの関係がこじれる火種にもなる。共有から抜ける手段としては、最後の選択肢と考えておきたい。
2023年の民法改正で、少し進めやすくはなった
共有のこうした行き詰まりを受けて、2023年4月に施行された改正民法では、いくつかの手続きが整備された。共有者の中に所在の分からない人がいる場合でも、裁判所の手続きを経れば、その人を除いた共有者で売却などの手続きを進められる道が開かれた。また、外壁の修繕といった「軽微な変更」は、全員同意ではなく持分の過半数で決められるようになった。
もっとも、これらはあくまで裁判所を介した手続きであり、時間も手間もかかる。「制度があるから大丈夫」ではなく、「そもそもこじれる前に動く」ことが、いちばん負担の少ない解決であることに変わりはない。
磐田市・袋井市で、実家の共有でお悩みなら
磐田・袋井エリアは、ご両親の代から受け継いだ住宅や土地が多く、きょうだいで共有したまま空き家になっている実家も少なくない。地方では「いずれ誰かが住むかも」「田畑もあるし」と判断を先延ばしにしがちだが、前述のとおり、先送りは共有関係をますます複雑にしていく。
だからこそ、共有者全員がまだ元気で連絡を取り合えるうちに、一度きちんと話し合っておくことをおすすめしたい。お盆や年末年始など、きょうだいが顔を合わせる機会は、その絶好のタイミングである。「売る・貸す・誰かが住む・持分を整理する」——どの道を選ぶにせよ、まずは「今この実家はどんな状態で、どんな選択肢があるのか」を共有者みんなで把握することから始まる。
「介護」と「相続・不動産」を一緒に相談できる強み
当社・富士ヶ丘サービスは、もともと介護施設の運営から不動産事業を始めた、磐田市・袋井市の地域密着の会社である。親御さんの介護や施設入居、相続、そして実家の共有・売却——本来ひとつながりのこれらの悩みを、切り離さずに一体で相談していただける。
私たちが大切にしているのは、ただ「高く売る」ことではなく、きょうだいやご家族が後で困らない、納得できる進め方を一緒に考えることである。共有名義の実家をどうするか迷っておられるなら、査定だけのご相談でもかまわない。複雑にこじれてしまう前に、どうぞお気軽にお声がけください。必要に応じて、提携する司法書士など専門家とも連携してご案内する。
まとめ
きょうだいで実家を共有名義のまま相続するのは、その場では公平で平和な選択に見える。しかし、全体を売るには全員の同意が必要で一人でも反対すると進まないこと、世代をまたぐと共有者が増えて収拾がつかなくなること、自分の持分だけ売ると安くなりがちなこと——時間が経つほど解決が難しくなる構造をはらんでいる。
大切なのは、共有者みんなが元気で話し合えるうちに、早めに方向性を決めておくことである。磐田市・袋井市で実家の相続・共有でお悩みの方は、介護と不動産の両方を見渡せる富士ヶ丘サービスへ、どうぞお気軽にご相談ください。
※本稿は2026年6月時点の制度・情報をもとに作成しています。共有不動産や相続に関する取り扱いは個別の事情によって異なります。具体的な法律・登記の手続きについては司法書士・弁護士へ、税の取り扱いについては税理士・税務署へ必ずご確認ください。
参考情報(出典):
・e-Gov法令検索「民法」第206条・第251条・第252条 ほか
・法務省「令和3年民法等一部改正(所有者不明土地関係)」関連資料
(いずれも2026年6月閲覧)















