はじめに
住みたい街ランキングが、様々なメディアで発表されています。しかし、ランキングだけでは見えてこない、本当の住みやすさがあります。磐田市に10年以上住み、不動産宅地建物取引士として活動してきた経験から、ランキングでは語られない街の実態をお伝えします。
通勤・通学の実態を知る
ランキングでよく見る「駅からの距離」は、実は表面的な指標に過ぎません。磐田市では、JR磐田駅周辺は確かに便利です。しかし、駅から離れた地域でも、充実したバス路線網があります。
袋井市においても同様です。JR袋井駅から少し離れていても、道路が整備されており、自転車での移動が快適です。実際の通勤時間は、単純な距離だけでは測れないのです。
企業が集中する磐田市の北部工業地帯へは、逆に駅から離れた地域の方がアクセスしやすい場合もあります。通勤ラッシュ時の渋滞状況や、企業バスの運行ルートなども、実際の暮らしやすさに大きく影響します。
生活コストの現実
ランキングでは触れられない、実際の生活コストの違いも重要です。
スーパーマーケットの価格競争が活発で、食費の節約がしやすい環境です。磐田市のららぽーと周辺には、複数の大型店が集まっています。価格比較をしながらの買い物が可能です。
袋井市では、地元の農産物直売所が充実しています。新鮮な野菜や果物を、市場価格よりも安く購入できます。これらの実質的な生活コストは、ランキングには反映されにくい要素です。
将来性を見据えた住環境
人気ランキングは、現在の状況のみを評価する傾向があります。しかし、街の将来性を見据えることも大切です。磐田市では、新東名高速道路の開通により、物流の拠点として発展が期待されています。
袋井市でも、工業団地の拡大や新規企業の進出が続いています。雇用機会の増加は、街の活力に直結します。これらの発展計画は、数年後の住みやすさに大きく影響するでしょう。
高齢化社会への対応も重要です。両市とも、コンパクトシティ構想を推進しています。これは、生活に必要な施設を歩いて行ける範囲に集約する都市計画のことです。将来的な住みやすさを考える上で、見逃せないポイントです。
コミュニティの実態
ランキングでは数値化しづらい、地域コミュニティの質も重要です。磐田市・袋井市は、伝統的な地域コミュニティが残る一方で、新しい住民も受け入れる柔軟さがあります。
地域の防災訓練や祭りなどの行事は、確かに参加の負担を感じる方もいます。しかし、これらの活動が災害時の助け合いや、子どもの見守りにつながっています。
特に子育て世代には心強い環境です。磐田市では地域の子育てサークルが活発です。袋井市でも、公園を中心とした親子の交流の場が充実しています。
まとめ
住みたい街ランキングは、住まい選びの参考にはなります。しかし、実際の暮らしやすさは、もっと複雑な要素で構成されています。磐田市・袋井市には、ランキングには表れない魅力がたくさんあります。
街選びでは、表面的な数値だけでなく、実際の生活者の視点で評価することが大切です。地域の実情を知り、自分のライフスタイルに合った場所を選ぶことで、より充実した暮らしが実現できるはずです。