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「うちは相続税がかかるの?」──基礎控除と実家のざっくり評価で、最初の不安を整理する
公開日:2026年6月10日/カテゴリ:相続した実家の相談窓口
1. まずはここから──相続税の「基礎控除」とは
相続税は、亡くなった方(被相続人)の財産すべてにかかるわけではありません。財産の合計額が「基礎控除額」を超えた部分にだけかかります。基礎控除額の計算式はシンプルです。
法定相続人とは、民法で決められた相続人のこと。配偶者は常に相続人となり、それに加えて第1順位が子、第2順位が父母など、第3順位が兄弟姉妹です。人数別の基礎控除額は次のとおりです。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 | 例 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 子1人だけ |
| 2人 | 4,200万円 | 配偶者+子1人 |
| 3人 | 4,800万円 | 配偶者+子2人 |
| 4人 | 5,400万円 | 配偶者+子3人 |
たとえば、お父様が亡くなり、相続人がお母様と子ども2人なら、基礎控除額は4,800万円。実家・預貯金・株式などの財産の合計(相続税評価額ベース)が4,800万円以下であれば、相続税はかからず、原則として申告も不要です。
なお、この計算式は平成27年(2015年)の改正以降ずっと変わっておらず、2026年度の税制改正でも基礎控除の見直しはありません。一方で、国税庁が2025年12月に公表した令和6年分の申告事績では、課税割合が10.4%と昭和42年以降で初めて1割を超え、過去最高になりました。地価や株価の上昇で「ごく普通の家庭」でも基礎控除を超えるケースが増えているということです。
2. 実家はいくらで数える?──土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」
基礎控除と比べるためには、財産の合計額を知る必要があります。預貯金は残高そのままで数えればよいのですが、悩ましいのが実家(不動産)です。ここで使うのは「売れそうな価格(時価)」ではなく、国税庁の決めたルールによる「相続税評価額」です。
土地の評価──路線価方式と倍率方式
土地の評価方法は2つあります。市街地の多くは路線価方式で、道路ごとに付けられた1㎡あたりの価格(路線価)に土地の面積を掛けて計算します(土地の形などに応じた補正があります)。路線価は国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のサイトで誰でも無料で見られます。毎年7月に新しい年分が公表され、一般に時価(実勢価格)の8割程度の水準とされています。
路線価が付いていない地域は倍率方式で、固定資産税評価額に地域ごとの倍率を掛けて計算します。磐田市内でも、市街地は路線価地域、郊外は倍率地域、というように混在していますので、まずは路線価図で実家の前の道路に数字が付いているかを確認してみてください。
建物の評価──固定資産税評価額そのまま
建物は計算がもっと簡単で、固定資産税評価額×1.0、つまり固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。固定資産税評価額は、毎年春に市役所から届く固定資産税の納税通知書(課税明細書)に書かれています。築年数の経った実家なら、建物の評価額は数十万〜数百万円程度になっていることも珍しくありません。
- 実家の土地:路線価5万円/㎡ × 200㎡ = 1,000万円
- 実家の建物:固定資産税評価額 350万円
- 預貯金など:2,500万円
- 合計 3,850万円 < 基礎控除4,800万円(相続人3人)→ 相続税はかからない
このように、納税通知書と路線価図だけでも「基礎控除を超えそうかどうか」のあたりは付けられます。ボーダーライン上にある場合や、土地の形が複雑な場合、生命保険・株式などほかの財産が多い場合は、税理士による正確な評価が必要です。
3. 評価が8割下がることも──「小規模宅地等の特例」
実家の土地の評価が大きい場合でも、あきらめるのはまだ早いです。一定の要件を満たすと、自宅の敷地330㎡までの評価額を80%減額できる「小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)」があります。たとえば評価2,000万円の敷地なら、特例が使えれば400万円として数えられる、非常に効果の大きい制度です。
主に使えるのは次のような方です。
| 取得する人 | 主な要件 |
|---|---|
| 配偶者 | 要件なし(取得すれば適用可) |
| 同居していた親族 | 申告期限まで引き続きその家に住み、所有し続けること |
| 別居の親族(いわゆる「家なき子」) | 被相続人に配偶者・同居相続人がいないこと、相続開始前3年以内に自分や配偶者等の持ち家に住んでいないこと、申告期限まで所有し続けること など |
注意:この特例は「使えば自動的に安くなる」ものではなく、相続税の申告をすることが適用の条件です。
特例を使った結果、税額がゼロになる場合でも申告は必要です。また、要件は細かく、「同居」の判定や「家なき子」の細かな条件など、判断に迷うポイントが多い制度でもあります。実家を申告期限(10か月)より前に売ってしまうと同居親族や家なき子の要件を満たさなくなるなど、売却のタイミングと特例の要件が絡む場面では、不動産と税務の両面からの確認が欠かせません。
4. 配偶者はさらに手厚い──「配偶者の税額軽減」
配偶者が相続する分については、1億6,000万円か法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税がかからない「配偶者の税額軽減」があります。このため「とりあえず全部お母さんが相続すれば税金はかからない」という選択をされるご家庭も多いのですが、2つ注意点があります。
1つめは、これも申告が条件であること。税額がゼロになる場合でも申告書の提出が必要で、申告期限までに遺産分割がまとまっていない財産は原則として対象になりません。2つめは「二次相続」の問題です。お母様にすべて寄せると、お母様が亡くなったときの相続(二次相続)では配偶者の軽減が使えず、基礎控除も相続人が減る分小さくなるため、トータルの税負担がかえって重くなることがあります。一次相続の段階から、実家を誰が継ぐのか・将来売るのかも含めて見通しを立てておくことが大切です。
5. 期限は「10か月」──だからこそ、早めの整理を
相続税の申告・納税の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。10か月と聞くと余裕がありそうですが、実際には四十九日や諸手続きに追われ、財産の洗い出し・評価・遺産分割協議・申告書の作成と進めると、決して長くはありません。実家の評価や売却の検討が絡む場合はなおさらです。
私たち富士ヶ丘サービスがおすすめしたいのは、「相続税がかかるかどうか」をきっかけに、実家の財産情報を一度整理しておくことです。固定資産税の納税通知書を探す、路線価図を眺めてみる、法定相続人が何人になるか数えてみる──それだけでも、漠然とした不安はかなり小さくなります。売る・貸す・残すの判断はその後で十分です。
まとめ
相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があり、財産の合計がこの範囲に収まれば相続税はかかりません。実家の評価は、土地が路線価方式(または倍率方式)、建物が固定資産税評価額で、納税通知書と国税庁の路線価図があればざっくりした見当を付けられます。評価が大きい場合も、小規模宅地等の特例で自宅敷地330㎡まで80%減額、配偶者には1億6,000万円までの税額軽減があり、いずれも「申告すること」が条件です。令和6年分の課税割合は10.4%と初めて1割を超え、相続税はもはや一部の資産家だけの話ではなくなりました。期限は10か月。「うちはかかるの?」と思った今が、実家の情報を整理する好機です。磐田市・袋井市・浜松市で実家の評価や行く末が気にかかる方は、どうぞお気軽にご相談ください。税理士と連携しながら、不動産の側から「実家をどうするか」の整理をお手伝いします。
参考情報(2026年6月時点)
- 国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(課税割合10.4%) https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozoku_shinkoku/pdf/sozoku_shinkoku.pdf
- 国税庁 タックスアンサー No.4602「土地家屋の評価」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.4124「小規模宅地等の特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.4158「配偶者の税額の軽減」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm
- 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」 https://www.rosenka.nta.go.jp/
相続した実家のこと、まず整理しませんか
「相続税がかかるのか不安」「実家の評価額の見当がつかない」──そんな入口のご相談から、売る・貸す・残すの見立て、税理士・司法書士との連携まで。「売りませんか」ではなく「まず整理しませんか」を大切に、磐田市見付を拠点に、袋井市・浜松市の皆さまにも寄り添う地域密着の不動産会社です。相談は無料です。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、相続税の具体的な計算・申告の最終判断は税理士・税務署へご確認ください。記載の制度・数値は公開時点の情報です。















