不動産査定を経営者である大石浩之がさせて頂くわけですが、
私の不動産査定は、今後、売買金額をピンポイントで予見するという意味では100%外れるでしょう。
しかし、売買価格をレンジ(範囲)で予見するという意味であれば、
レンジを300万円、いや500万円ほどの範囲を許容頂ければ、
8割がた、いや9割がたの確率で予見することができます。
不動産の価値を査定するということは、一見するとあやしい、予想屋的な要素を多分に含んでいます。
競馬やボートなどの予想屋さんは過去の戦績、勝率、枠順など総合して予想しますが、
不動産屋のやっている査定も、予想屋さんの思考と大きくかけ離れていません。
というより、一緒です。
或る意味、大胆な予想を発表できるという点では、予想屋さんと不動産屋の査定と、
全く同じことをやっています。
さてここからは、不動産屋さんの査定のお話。そして買主さんの心得②です。
不動産屋さんの査定は、過去の取引事例か、固定資産税の路線価から算出して行います。
磐田市のような田舎では、過去の取引事例が少なく、あまり共有されていないため、
私の場合、固定資産税の路線価から、不動産価格を算定しています。
多くの場合は、不動産売買価格≧路線価から算出した査定額、になってますので、
査定額の120%、130%を売出価格として、売り始めます。
もちろん不動産は、替えが効かない、この世の中に1か所しかたいものです。
路線価から算出して不動産査定を行うことができますが、
それはあくまでも周囲から推定した参考値であることを予めご承知ください。
値段が上がることがある場合は、地続きで隣家(りんか)が購入を希望する場合です。
先ほど書いたように、不動産は替えが効きません。特に、土地であればさおさらです。
一般では500万円で買ってもらえる土地が、
もしかしたら隣家の方にとっては700万円で買ってもらえるかもしれません。
ここで注意していただきたいのは、「・・・かもしれない」ということです。
不動産取引において、「○〇○万円で買ってもらえます」と査定では言い切れないのです。
逆に言い切れるのは、不動産屋が買い取る「不動産買取」だけです。
※ 「不動産買取」はその後、不動産屋さんが転売するため、
買取価格は安くなる傾向にありますので、ご注意ください。
もう1点。注意してほしいことがあります。
「不動産買取」が不動産価格を押し下げてしまうのですが、
急いで売り切ろうとする焦る気持ちも、不動産売却価格を下げることがあります。
もちろん急な資金需要に対応するため、
不動産を売却することもありますが、できれば、おおらかな気持ちで、
「引き継いでいる良い方が売ってもよいかなぁ」程度にかんがえていただいた方が
不動産売買価格は高くなります。
焦らないこと、急がないことが、不動産売買価格の高騰につながる
かもしれません。