相続した実家、名義はそのままになっていませんか──相続登記の義務化と「2027年3月」の期限、まず何をすべきか
公開日:2026年6月5日/カテゴリ:相続した実家の相談窓口
「親から相続した実家、名義は親のままで何年も過ぎてしまった」──磐田市・袋井市・浜松市の方からも、よくうかがうお話です。実は2024年(令和6年)4月1日から、相続した不動産の名義変更(相続登記)は法律上の「義務」になりました。しかも、過去に相続した分も対象で、一つの区切りが2027年(令和9年)3月31日。残りは1年を切っています。とはいえ、慌てて売る必要はありません。私たち富士ヶ丘サービスがいつもお伝えしているのは「売りませんか」ではなく「まず一緒に整理しませんか」。本記事では、相続登記の義務化で何が変わったのか、間に合わないときの救済策、そして名義がそのままの実家を放置する本当のリスクを、落ち着いて整理します。
1. 相続登記とは──そもそも何の手続き?
相続登記とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた土地・建物の名義を、相続人へ変更する登記手続きのことです。不動産の登記簿には所有者の氏名・住所が記録されていますが、これは自動では書き換わりません。相続が起きても、相続人が法務局へ申請しない限り、登記簿上は亡くなった方の名義のまま残り続けます。
長らくこの手続きは「義務ではない」とされ、費用や手間を理由に放置されるケースが全国で積み重なってきました。その結果、所有者が誰なのか分からない「所有者不明土地」が、九州本島の面積を上回る規模にまで広がったと指摘されています。こうした土地は売買も活用もできず、災害復旧や公共事業の妨げにもなることから、国は法律を改正し、相続登記を義務化しました。
2. 2024年4月から「義務」に。期限と過料を整理する
2024年4月1日の施行で、不動産を相続によって取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならなくなりました。ポイントは、施行日より前に起きた相続も対象になることです。
| 相続が起きた時期 | 登記申請の期限 |
|---|---|
| 2024年4月1日より前(過去の相続) | 2027年3月31日まで(※) |
| 2024年4月1日以降 | 取得を知った日から3年以内 |
※過去の相続については、「2027年3月31日まで」と「相続で取得したことを知った日から3年以内」のいずれか遅い日が期限となります。何年も前に相続した実家がそのままになっている方は、まさにこの2027年3月31日が一つの区切りになります。
3. 遺産分割がまとまらない時の救済──「相続人申告登記」
「兄弟で話し合いがつかない」「相続人が多くて戸籍をそろえるのに時間がかかる」──そんな事情で3年以内の相続登記が難しいこともあります。その場合の救済策として、義務化と同時に始まったのが相続人申告登記という新しい手続きです。
これは「私はこの不動産の相続人の一人です」と法務局に申し出るだけの、簡易な手続きです。期限内に申し出れば、その時点で相続登記の申請義務を果たしたものとみなされます。次のような特徴があり、ハードルがぐっと下がります。
- 特定の相続人が単独で申し出できる(他の相続人の分も含めて代理申出も可能)
- 法定相続人の範囲や法定相続分の割合を確定する必要がない(提出書類が少ない)
- 登録免許税がかからない
- オンライン(Webブラウザ上の「かんたん登記・供託申請」)でも手続き可能で、押印・電子署名は不要
ただし、これはあくまで「義務を一旦果たした」とみなす制度であり、正式に名義を相続人へ移すものではありません。遺産分割がまとまった後は、その日から3年以内に改めて相続登記を行う必要があります。売却や担保設定をするには結局この本来の相続登記が必要になりますから、「時間を稼ぐための一手」と捉えておくのが正確です。
4. 名義を放置する「本当のリスク」
過料の話ばかりが注目されがちですが、相続登記を放置する一番のリスクは、時間とともに手続きがどんどん難しくなることです。名義が亡くなった方のままの間に、相続人の誰かがさらに亡くなると、その方の相続人へと権利が枝分かれしていきます(数次相続)。当初は兄弟3人で済んだはずの話し合いが、いとこや甥・姪まで含む十数人の協議になり、面識のない遠方の親族と遺産分割をまとめなければならない、という事態が現実に起きています。
また、名義が親のままでは、その実家を売ることも、賃貸に出すことも、リフォーム資金のために担保に入れることもできません。「いざ動こう」と思ったときに、まず数か月がかりの相続登記から始めなければならない──これが放置の代償です。私たちが「本当の競争相手は何もしないこと(放置)」とお伝えしているのは、まさにこの点にあります。
5. まず何をすべきか──磐田での最初の一歩
では、何から手をつければよいのでしょうか。完璧を目指す前に、次の順序で「現状を見える化」することをおすすめします。
- 名義を確認する:実家や土地の登記簿(登記事項証明書)を取り、今の名義が誰になっているかを確かめます。法務局の窓口やオンラインで取得できます。
- 相続人を整理する:誰が相続人になるのかを、戸籍をたどって把握します。早めに着手するほど範囲が広がらずに済みます。
- 「見落とし」の不動産を洗い出す:2026年2月から始まった所有不動産記録証明制度を使うと、亡くなった方(や自分)の名義の不動産を全国分まとめて一覧で証明してもらえます。手数料は1通あたり1,600円(窓口請求の場合)。「実は遠方にも親名義の土地があった」という抜け漏れ防止に役立ちます。
- 期限と方針を決める:そのうえで、本来の相続登記を進めるのか、まず相続人申告登記で義務を果たすのか、そして実家を「売る・貸す・残す」のどれに向かうのかを、落ち着いて検討します。
登記申請そのものは司法書士の専門領域ですが、「その実家を最終的にどうするか」という出口の部分は、地域の不動産会社の出番です。私たちは登記の入り口の整理から、信頼できる司法書士のご紹介、その先の活用・売却のご相談までを一つの窓口でお手伝いできます。
まとめ
相続した実家の名義変更は、2024年4月から義務になりました。過去の相続は2027年3月31日が一つの期限で、残りは1年を切っています。間に合わないときは相続人申告登記という救済策があり、遺産分割で揉めていても一人で動き出せます。何より大切なのは、放置によって相続人が増え、手続きがますます難しくなる前に「現状を見える化」しておくこと。売る・貸す・残すを決めるのはその後で構いません。磐田市・袋井市・浜松市で「実家の名義、どうなっているか分からない」という方は、最初の一歩の整理から、どうぞお気軽にご相談ください。
参考情報(2026年6月時点)
- 法務省「相続登記の申請義務化について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
- 法務省「相続人申告登記について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html
- 法務省「住所等変更登記の義務化について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00693.html
- 政府広報オンライン「不動産の相続登記義務化/所有不動産記録証明制度」 https://www.gov-online.go.jp/article/202512/entry-10431.html
- 日本司法書士会連合会「相続登記義務化でどう変わる?」 https://souzoku.shiho-shoshi.or.jp/column/034/
相続した実家のこと、まず整理しませんか
名義の確認から相続人の整理、相続登記の段取り(司法書士のご紹介)、その先の「売る・貸す・残す」のご相談まで。磐田市見付を拠点に、袋井市・浜松市の皆さまにも寄り添う地域密着の不動産会社です。相談は無料です。
富士ヶ丘サービス株式会社
所在地:静岡県磐田市見付5789番地1
TEL:0538-31-3308(平日9〜18時)
免許:静岡県知事(2)第14083号
加盟:公益社団法人 全日本不動産協会/公益社団法人 不動産保証協会/公正取引協議会加盟事業者
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務上の最終判断は専門家へご確認ください。記載の制度・数値は公開時点の情報です。















