相続した実家を空き家のまま放置すると固定資産税が最大6倍に──「管理不全空家」と住宅用地特例が外れる仕組み
公開日:2026年6月7日/カテゴリ:相続した実家の相談窓口
「空き家を放っておくと、固定資産税が6倍になるらしい」──磐田市・袋井市・浜松市で実家のご相談をうかがう中でも、よく耳にする心配ごとです。これは噂ではなく、空き家対策の法律と税のルールに根拠があります。とはいえ、誰の家でもいきなり6倍になるわけではありません。私たち富士ヶ丘サービスがお伝えしているのは「急いで売りませんか」ではなく「まず仕組みを一緒に整理しませんか」。本記事では、なぜ6倍になるのか、2023年12月の法改正で対象がどう広がったのか、そして相続した実家でそれを避けるために磐田で取れる選択肢を、落ち着いて整理します。
1. なぜ「空き家で税金が6倍」になるのか──住宅用地特例の話
そもそも、人が住む土地の固定資産税は、特別に軽くしてもらえる仕組みがあります。これを住宅用地特例といいます。建物が建っている土地(住宅用地)は、更地のまま持つよりも税の負担が大きく下がるよう、課税のもとになる金額(課税標準)が次のように軽減されます。
| 区分 | 面積 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 課税標準が6分の1 | 課税標準が3分の1 |
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 課税標準が3分の1 | 課税標準が3分の2 |
つまり、200㎡(約60坪)までの一戸建ての敷地なら、固定資産税はもともと6分の1にまで軽くされているわけです。ここがポイントです。空き家を放置して後述の「勧告」を受けると、この特例が外されてしまいます。6分の1の軽減がなくなれば、計算上は税額が最大で6倍に戻る、というのが「6倍」と言われる正体です。
2. 「特定空家」と「管理不全空家」──2023年改正で対象が広がった
では、どんな空き家がこの特例解除の対象になるのでしょうか。鍵になるのが、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)に出てくる2つの区分です。とくに2023年(令和5年)12月13日に施行された改正で、対象が大きく広がりました。
| 区分 | どんな状態か | 特例解除との関係 |
|---|---|---|
| 特定空家 | 倒壊のおそれ、著しく衛生上有害、著しく景観を損なうなど、すでに深刻な状態の空き家。 | 従来から対象。勧告を受けると住宅用地特例が外れる。 |
| 管理不全空家 (2023年新設) | そのまま放置すれば特定空家になるおそれのある状態。窓が割れている、庭木が伸び放題、といった「予備軍」。 | 改正で新たに対象に。勧告を受けると住宅用地特例が外れる。 |
これまでは、かなり傷んで「特定空家」と認定されない限り税の特例は外れませんでした。ところが改正によって、その一歩手前の「管理不全空家」も、勧告を受ければ特例解除の対象になりました。「まだそこまでひどくないから大丈夫」と思っていた実家が、対象に入りうるようになったのです。2026年の今、各自治体でこの管理不全空家の枠が実際に運用される場面が増えてきています。
3. いきなり6倍ではない──「指導→勧告→特例解除」の流れ
大切なのは、空き家だからといって自動的に税金が上がるわけではない、という点です。特例が外れるまでには段階があります。
- 調査・認定:市区町村が空き家の状態を調べ、特定空家または管理不全空家に当たると判断します。
- 助言・指導:まず「庭木を剪定してください」「窓を補修してください」といった改善のお願い(助言・指導)が行われます。
- 勧告:それでも改善されない場合に、正式な「勧告」が出されます。この勧告が出た時点で、住宅用地特例の解除が決まります。
- 特例解除(税額アップ):勧告を受けた土地は、翌年1月1日(固定資産税の賦課期日)の時点で改善されていないと、その年から住宅用地特例が適用されなくなります。
4. 6倍を避けるには──磐田で取れる選択肢
相続した実家を「管理不全空家」にしないために、現実的な選択肢は大きく4つです。どれが向いているかは、建物の状態やご家族の事情によって変わります。
(1) きちんと管理して持ち続ける
定期的な換気・通水・庭の手入れなど、最低限の管理を続けていれば、そもそも管理不全空家には当たりません。遠方にお住まいで通えない場合は、空き家管理サービスを使う方法もあります。
(2) 貸して活用する
人が住めば空き家ではなくなり、家賃収入で維持費もまかなえます。リフォーム費用とのバランスを見て判断します。
(3) 売却する
使う予定がないなら、古家付き土地として、あるいはリフォーム後に売る道があります。相続した実家には「空き家の3,000万円特別控除」が使える場合もあり、税の面でも有利になることがあります。
(4) 解体して更地にする
建物が危険な場合の選択肢ですが、注意も必要です。更地にすると住宅用地特例はそもそも適用されなくなり、土地の固定資産税は上がります。解体費用とあわせ、売却や活用とどちらが有利かを総合的に考える必要があります。磐田市など自治体によっては解体の補助制度がある場合もあるため、確認する価値があります。
いずれの道でも、出発点は「今の実家がどの段階にあり、税金がどうなっているか」を正しく把握することです。私たちは、その現状整理から活用・売却の見立て、必要に応じた専門家のご紹介まで、ひとつの窓口でお手伝いします。
まとめ
空き家の固定資産税が「最大6倍」になるのは、放置によって勧告を受け、本来6分の1に軽くされていた住宅用地特例が外れるためです。2023年12月の法改正で、深刻な「特定空家」だけでなく、その手前の「管理不全空家」も対象に加わり、対象は広がりました。ただし、いきなり6倍になるわけではなく、指導・勧告という段階があります。市からの通知を見逃さず、管理・活用・売却・解体のいずれかで早めに動けば、6倍は十分に避けられます。磐田市・袋井市・浜松市で「相続した実家をこのままにしておいて大丈夫か」と気になる方は、まず現状の整理から、どうぞお気軽にご相談ください。
参考情報(2026年6月時点)
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の改正について(令和5年12月施行)」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
- 国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001712029.pdf
- 公益社団法人 全日本不動産協会「法改正で管理不全空き家が減税対象外に」 https://magazine.zennichi.or.jp/legal-reform/15357
- 浜松市「住宅用地の課税標準の特例」 https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/shisanze/zei/shisanze/si_toti4.html
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
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